屋根の版画家 寺司勝次郎
  

寺司勝次郎の著書・関連書籍のご紹介

はだしの青春 戦争下における中学生の生活

本書より

 我々57期生が当時 「天下の大中」と呼はれていた憧れの大分県立大分中学校に入学したのが昭和15年4月5日その3年前には支那事変が始り入学の翌年には太平洋戦争の火ぶたが切られました。

 3年生 4年生になると同期生より大量の軍隊への志願者を送り出した。
 5年生になると残った全員が学業離れ動員学徒として軍需工場で汗を流して働いた毎日。
 20年3月28日の卒業式は警戒警報発令下の校庭の片すみで行われ卒業後も引き8月15日の終戦まで動員先で働き続けた毎日でした 。
思えば在学中の5年間は只々戦争遂行の一貫に尽きる青春の毎日でした。

  鍛錬と言う名の元に酷暑の校庭を、霜に凍りついた運動場を「はだし」で走り回った中学生時代を偲び卒業アルバムに代えて、卒業30周年記念の一つとしてここに「はだしの書書」(戦争下に於ける中学生の生活)と題した本書を57期生一同で刊行しました。

今後の学生が二度と経験する事のない、
いや絶体に経験させてはならない体験談として御高覧戴ければ幸です。

大分中学57期会 会長 佐藤 諄之助

▲ページの先頭へ戻る