ペンを捨てた青春の日々 あヽ紅の血は燃ゆる - 大分県勤労動員学徒の手記集
本書記事より
戦争を指導した人の事や戦争の経過や大きな戦斗についてはかなり正確な記録が残される。ずいぶん昔の事でも。
しかしその戦争のあいだ
黙って苦しみ
学業を捨て
親や兄弟と別れ
青春をうしない
そして飢えながら
工場で、戦場で生きて釆た我々の事はあまり残されていない。
その数すくない記録である。
<学徒動員の歌>
- 一、花も蓄も若桜
- 五尺の命引っ下げて
- 国の大事に殉ずるは
- 我等学徒の面目と
- あヽ紅の血は燃ゆる
- 二、後に続けと兄の声
- 今こそ筆を投げ打ちて
- 勝利ゆるがぬ生産に
- 勇み立ちたる兵(つわもの)ぞ
- あゝ紅の血は燃ゆる
- 三、君は鍬執れ我は鎚
- 戦う道に二つなし
- 国の使命を遂ぐるこそ
- 我等学徒の本分と
- あゝ紅の血は燃ゆる
- 四、何をすさぶか小夜嵐
- 神州男子ここにあり
- 決意一度(たび)火となりて
- 護る国土は鉄壁だ
- あ、紅の血は燃ゆる